Masaxuo flight diary

ふらっと近くに飛ぶのが得意です

吉田修一「路」

年末年始、旅の移動では、この本を拝読。

どっぷり台湾に浸りました。

著:吉田修一

題:「路」

路(ルウ)路(ルウ)
(2012/11/21)
吉田 修一

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路と書いて、「ルウ」と発音。

台湾新幹線に関わった者達の着工前から開業に至るまで、

日本⇔台湾間の、人間模様を描いたフィクション。

鉄道的な内容ではなく、あくまで人間模様主体。

総じて、台湾のことを褒めすぎ!なのは否めないのですが、

台湾の空気、歴史、食べ物などが丁寧に描かれていて、

この小説を読んだ人は、確実に訪台したくなる内容となっております。

ものすごく面白い!という訳でもないのですが、

吉田修一ってさすがですね、言葉遣いがぐっとくる。

情景描写もうまい。しっかりと取材したんだろうなと。

主人公が食べる排骨飯の匂い、

左営方面にある新幹線車両基地の様子、

夏のもわっとした独特の湿気、読んでるだけで台湾が伝わってくる。

また、日本に住んでる日本人でも台湾から引き揚げてきた人って

まだ生きていらっしゃるんですよね。

一度読んだ本は、どんなに面白くても、

あまり読み返したりしないのですが、この本は、今2回目を読んでいます。

今は単行本ですが、文庫になったらおすすめ、旅のお供に是非。